「8+9 2018 ~被爆73年長崎から~」


 アートを通じた国際交流を30年継続してきたRING ARTは、絶えず現代美術を基にした表現活動を続けています。その中にあって、国際交流の要であるのは第一に韓国であり、その韓国との交流は時代を先駆けて長大井川研究室にて始められ、当時は「海を越えた文化交流」と報じられました。特に昌原大学校姜バレム教授は交流当初から国際交流の苦悩の道を切り開いてこられ、今年定年を迎えられます。その業績を称え、姜教授個展コーナーを設けます。

 もう一つ、2011年の東日本大震災の折、来日不可能な中、長大との協定校であるポルト大学のフランシスコ・ラランジョ教授(ポルトガル)が、アート作品を持って来日された勇気あるその姿は、震災に対する絶望の中、私たちに希望を与えてくれました。彼のアート表現は3・11への鎮魂を込めた抑制の効いた、淡々とした行為の連続の中にあって、私たちRING ARTはまさしく平和を感じました。今回、より国際交流を高めるために、また長崎が最初に交流したヨーロッパの国であるポルトガル、そのラランジョ教授をお迎えすることになりました。

 また、これまで3回長崎に来られた美術評論家、宮田徹也先生にもお願いし、私たちの作品展について語っていただきます。宮田先生の世界は、多様化した現代アートの世界に造旨が深く、独自の視点で美術評論の展開をされています。私たちRING ARTの活動の立ち位置を表示し、ご指導下されば有難いです。

  運河ギャラリーでは、ブラジルからの教員留学生でしたイボネッチ氏とブラジルの子供ら、また宇久島小中高生らとのコラボレーションを行ないます。これはこれまで培ってきた国際交流の上に立つ新たな国際交流展の始まりです。

 なお今回の会場に、運河ギャラリーを希望していましたが、図らずも県民ギャラリーの大展示室に推薦されたことは、誠に有難く感謝の意を込めて、私たち8+9展の飛躍をこのギャラリーで展開したいと思います。

 また、今回の特色として2012年の「8+9展」より試みている「メッセージ・アート」のコーナーを設けます。美術作品以外にも、長崎における平和活動者や音楽家、美術評論家などからメッセージを寄せていただき、新たな美への発信として展示します。